SEASIDE RAIN

ビートルズのリンゴ、ストーンズのチャーリー、ツェッペリンのジョン、シックのトニー、ポリスのスチュワート・・・。
バンドにとってドラマーは「すべて」である、とぼくは子どもの頃からいつも思ってきたので、ドラマーのいないバンド、ジャクソン・ヴァイブのプロデュースを依頼され、非常に悩んだ。
今回のプロデュースの最大のポイントは、グルーヴの軸をどこに置くかバンドに示してあげることだった。
ドラマーのいないバンドはその基準を迷いがちなのだ。

しかし、ある時ふと思った。

ドラマーがいないのを逆に利用できないだろうか。敢えて80年代のシンプルなリンドラムを、彼らの軸に置いてみたらどうだろう、と。
グローバーくんのあの人間臭い歌声と、ハッシーの裏打ちカッティング。ここにメロウでファンキーなモトキチくんのベースと機械的なダンス・ビートはバチッとハマるんじゃないか・・・。
スタジオであわせてみたらまさにビンゴ。最高だった。
この曲が日本中の夏の海に溢れれば心から嬉しい。

【グローバー義和】
ふいに胸をつかむ夏の恋の思い出。
そんなとき少し思い出に立ち止まることは悪いことじゃない。

Jackson vibeなりの夏のダンスチューンを作るべくNONA REEVES西寺郷太さんに熱くコラボレーションオファーをしたところ、初めて入るリハスタでの曲出しになんともクールで熱々なトラックが出来上がってきたではないか!
郷太さんがJackson vibeをイメージして作ってきてくれた曲。曰く「Jackson vibeには絶対このメロウな感じがハマる!」
おれらも一撃で共鳴し、自分で考えていた曲はヤメにして、この超快感トラック『SEASIDE RAIN』に全力でとりかかりました。
普段は詞曲ともに作ることが多いので、今回は詞を作りながら字余りになろうがトラックの上でメロディを遊ばせたりするのも新鮮で楽しかったし、なにより郷太さんが最初に書いていた詞の風景から、ふたりで話し合いながら、どんどん膨らませて作っていった詞の世界。これは自分ひとりでは決して生まれなかったもので、レコーディングしながら、ベースライン、ギターのフレーズ、女声コーラスと絡み合い、ひとつになって出来上がっていく夏の景色に興奮しまくりでありました。
そして完成したこのサウンド!音色!
聴いてくれる人の今年の夏を、いや心の中にある永遠の夏を彩る一曲にしてもらえたら嬉しく思います。

【橋谷康一】
みんなでアイデアを持ち寄って曲にしようと言ってたら、郷太さんの曲をやることになりました!!俺の裏打ちはSUBLIME仕込みですがAl Mckayの気持ちも入ってます。

【佐藤元彦】
プロデューサーの郷太さんとは打ち合わせのときからビンビン来るモノがあって、何かがおこるかもとドキドキしていた。
そして郷太さんがこの曲を持ってきたとき、『これだよ!これっ!』って感じでした。
個人的にもベーシストとしての自分らしさが一番だせた曲かも!
これぞ名曲でしょう!! Groovy vibe !!!